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2012年 12月 24日 ( 1 )

2012年 12月 24日
旧里見弴邸(西御門サローネ)<歴史的建造史跡>
鎌倉駅より鶴岡八幡宮を過ぎ、その裏手に当たる西御門という地区に旧里見弴邸があります。
ここは、白樺派の作家である里見弴が建てた、1926年(大正15年)築の洋館です。
鎌倉の閑静な住宅街、というイメージ通りの西御門地区。“西御門”とは、頼朝の鎌倉幕府の西門付近だった事に由来する地名。頼朝の墓地にも近い場所です。

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<里見弴>
明治・大正・昭和にわたって活躍した作家里見弴は兄の有島武朗、生馬とともに、芸術家兄弟と言われています。天賦の文才は白樺派の同人達や、師泉鏡花との交流のなかで開花し、生涯にわたる創作活動から数々の名作を発表しました。代表作には「善心悪心」「多情仏心」「極楽とんぼ」などがあります。




広い玄関ロビー
設計には、里見弴自身が関わったという話です。大震災後なので、地震に強いと評判のF・ロイド・
ライトの帝国ホテルを意識していたとか。いくつかの特徴がこのロビーに残されています。

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六角形の窓や、幾何学模様の大窓は、ライトの影響。
     照明器具等は、当時のまま保存されていて貴重です
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ロビーからは折りたたみ式のドアで仕切られた応接間
右手のサンルームを通して日差しが充分届くよう開放されています。
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玄関よりすぐ右にはサンルーム
サンルームを通り応接間を取り囲むように行き来ができるように部屋が配置されているという。
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そして温かみのある応接間の暖炉
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廊下の北側は、使用人のスペース。
この写真は廊下から和館に通じる階段を望む。
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廊下の上に取り付けられた呼び出しベル。
ベルが鳴ると使用人がこれを見て、何処で呼んでいるのかがわかる
ようになっているとか。
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洋館につながって建つ入母屋造り茅葺きの別棟は、昭和4年築の数寄屋風、里見弴が書斎として使用していた。奈良の志賀直哉邸と同じ京都の大工の棟梁に依頼したそうです。洋館とほぼ同じ時期に建てられ、洋風建築物とマッチした景観を醸し出しているため一体のものとして鎌倉の景観重要建築物に指定されています。


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高床式で一段高くすることによって、この和室に座ってみる眺めが実に良い。全面をガラス張りにして、パノラマの景色を楽しめる。立地条件を活かして計算された設計と言えるでしょう。

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部屋の趣は書斎と言うよりも茶室。網代天井、不謎こ天井、竹の炊く棹縁の天井など数奇の精神が横溢しています。
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玄関ポーチには大谷石を使用、水平につき出す玄関ポーチと2階の庇、陸屋根のように見える外観などもライトの影響か。
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1926年(大正15年)里見弴が38歳の時にこの建物を建て、その後10年間48歳までを過ごしたと言われる。当時でもこの年代が一番油の乗り切った頃かもしれません。相当の建設費がかかったことだろうと想像できますが余程の売れっ子作家だったのたのでしょう。
後に文化勲章を受け、悠々94歳で天寿を全うしたのも鎌倉であったという。やはり鎌倉がお好きだったんでしょうね。
この建物は、昭和11年に里見氏が移転した後は、米軍接収やホテルとしても使われた後、現所有者、石川氏の住宅として丁寧に住まわれ、平成6年からは市の重要景観建造物(指定第8号)に指定されています。 そして、一級建築士事務所 studio acca が石川氏より借り受け、集い、学び、語らうことのできる場所として、「西御門サローネ」と言う名前で利用の門戸を開いています。貴重な建築資産を維持し、活用に努めるひとつの形として、この建物においてイベントの企画、貸しスペースにおける売上の一部が、建物の維持修繕費等にあてられています。







旧里見弴邸(西御門サローネ)

住 所: 〒248-0004 鎌倉市西御門1-19-3 西御門サローネ

T E L: 0467-23-7477

交 通: 鎌倉駅から京急バス大塔宮/太刀洗/金沢八景/ハイランド循環行きバスにて
     「大学前」下車バス停より10分

見 学: 毎週月曜のみ 見学料 500円











<記中コメントは西御門サローネ公式HP及びウィキペディア、館内パンフレットによる>

by konmasa1024 | 2012-12-24 14:17 | 歴史的建造史跡