2008年 05月 01日
昭和5年にシアトル航路用に建造された貨客船です。竣工78年目にあたる今年平成20年4月25日、「日本郵船氷川丸」としてリニューアルオープンしました。 喜寿を迎えてもなお竣工当時の姿をとどめたまま海上に浮かぶ同船は、03年11月に横浜市指定有形文化財に登録されています。変わらぬ姿で人々を魅了し続ける「氷川丸」。 横浜を代表するこの氷川丸は山下公園の海上から近代的な開発の進む横浜副都心を見渡すように静かにその雄姿を見せています。 山下公園より桜木町方面を望む。 氷川丸は当時の最新鋭大型ディーゼル機関を搭載し、水密区画配置など先進の安全性を誇っていました。その後、戦雲ただならぬ中、政府徴用船、および海軍特設病院船となり、終戦までに3回も触雷しましたが、日本郵船の大型船では唯一沈没を免れたのです。 戦後も引き続き病院船のまま復員輸送に従事し、昭和22年に復元工事で貨客船に戻り、国内航路定期船、後に外航不定期船、昭和26年8月からはシアトル・ニューヨークおよび欧州航路定期船に就航。 昭和28年には内装をアメリカンスタイルに改装し、シアトル航路に復帰、フルブライト留学制度での渡航者約2,500人を含む乗客、約1万6,000人を輸送し、活躍しました。 大食堂、 航海の最大の楽しみ。 一等社交室、氷川丸のメインホールで、船内の公式レセプション会場として使用されたと言います。夜は椅子やテーブルを外してダンスパーティーの会場になったそうです。 一等客室にはフランス人デザイナーによるアールデコ様式の内装が施され、狭いながらも優雅に過ごしたのでしょう。 昭和35年、船齢30年に達し、同10月シアトル、バンクーバーから神戸に寄港、係留地横浜への回航を最後に第一線を退きました。 太平洋横断254回、船客数は2万5千余名。 引退後は、係留地横浜で多くの人々に親しまれ、平成15年11月には横浜市有形指定文化財にも指定されました。 氷川丸の係留された山下公園は市民の憩いの場、土曜・日曜には大道芸人が出てパフォーマンスに人の輪ができる。外国人が似合うのもうなずける。 日本郵船氷川丸 所在地: 横浜市中区山下町山下公園地先 日本郵船氷川丸 TEL: 045-641-4362 交 通: 地下鉄みなとみらい線「元町・中華街」駅 下車、1番出口から徒歩3分 <文中解説コメントは公式ホームページおよび配布パンフ、船内掲示板より抜粋>
by konmasa1024
| 2008-05-01 11:02
| 歴史的建造史跡
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