2008年 04月 03日
自由学園・明日館(歴史的建造史跡)
自由学園明日館(みょうにちかん)は、1921年(大正10)、羽仁吉一、もと子夫妻が創立した自由学園の校舎として、アメリカが生んだ巨匠フランク・ロイド・ライトの設計により建設されました。
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学校の名は新約聖書『ヨハネによる福音書』8章32節の「真理は汝らに自由を得さすべし」からとられて、自由学園と名づけられました。自由学園はこうしてもと子の類まれな独創性と、これを支えた吉一の優れた実行力によって「真の自由人を育てる学校」として生まれ、成長しました。創立に際して2人は真に自由な教育を行うため「多くの不便をあえて忍んで」各種学校として始めました。これは戦後の昭和23(1948)年、六三制の導入にあたり、文部省が学園の中等科と高等科をそれぞれ中学校、高等学校として認可するまで続けられました。

教室入り口の細工
建物全体のデザインは幾何学模様を取りれたスッキリした感がありますが、細かな部分にも神経が行き渡り、素敵な空間を演出している。十字はキリスト教の十字架を形どったものと見られる。
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教室内部
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木造で漆喰塗の建物は、中央棟を中心に、左右に伸びた東教室棟、西教室棟を厳密なシンメトリーに配しており、ライトの第一期黄金時代の作風にみられる、高さを抑えた、地を這うような佇まいを特徴としています。プレイリースタイル(草原様式)と呼ばれるそれは、彼の出身地・ウィスコンシンの大草原から着想を得たものでと言える。

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ホール
ライトは建物全体の意匠を幾何学模様にまとめ、ホールの窓には高価なステンドグラスを使用する代わりに、木製の窓枠や桟を幾何学的に配して工費を低く抑え、かつユニークな空間構成を実現したのです。

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今は結婚式場としても貸し出され利用されている。
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ホールに置かれたこの椅子は、ライトと遠藤の共同設計といわれ、六角形の背に水平のスリットが特徴的です。ライトは家具も建物の一部と考えていました。つまり六角型の建物には六角形の家具というように、常に建物と家具との調和を考えていたようです。
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大谷石
ライトはその代表作である帝国ホテルの建設に使用した大谷石をここでも随所に取り入れ、その軟らかい質感が彼のモチーフと重なり、軟らかさの中に重厚感を感じさせてくれる。
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食堂
現在は喫茶室として利用されています。穏やかな外光を取り入れ、落ち着いたひと時が過ごせます。
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講堂
道路を隔てた南西には、300人収容できる遠藤新設計の講堂がならび、重要文化財・自由学園明日館は構成されています。
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1934年(昭和9)に自由学園が南沢(東久留米市)に移転してからは、明日館は主として卒業生の事業活動に利用されてきました。その後、明日館の歴史的、芸術的価値が評価され、1997年(平成9)5月、国の重要文化財指定を受けました。関東大震災や第二次世界大戦の空襲からも免れた明日館でしたが、80年の歳月のなかで老朽化が顕著になったため、1999年(平成11)3月から2001年(平成13)9月まで保存修理工事が行われ、同年11月に再開業いたしました。
自由教育を目指した学校にふさわしく、見学案内も自由さ、開放感が感じ取れ、とても素敵な時間が過ごせます。

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自由学園 明日館
〒171-0021 東京都豊島区西池袋2-31-3  TEL 03-3971-7535
 最寄駅 : 池袋 目白
 休館日 : 毎週月曜日(月曜日が祝日または振替休日の場合は、その翌日)、年末年始
        土日祝・要問合せ
 開館時間 :10:00~16:00(15:30までの入館) 毎月第3金曜日の18:00~21:00
 入場料 : お茶が付いて600円
 URL : 明日館ホームページ



<文中解説は「明日館」公式HPおよび「自由学園」公式HPより抜粋>

by konmasa1024 | 2008-04-03 10:52 | 歴史的建造史跡


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