2007年 10月 06日
旧朝香宮邸・東京都庭園美術館Ⅰ(歴史的建造史跡)
車の往来の激しい目黒通りから一歩美術館の敷地に入るとそこには別世界が広がります。 高い木立に囲まれたアプローチを抜けると、旧朝香宮邸・東京都庭園美術館が目の前に現れます。
東京都庭園美術館は朝香宮[あさかのみや]邸(朝香宮殿下は久邇宮[くにのみや]家第8王子、妃殿下は明治天皇第8皇女)として1933年(昭和8年) に建てられた建物を、そのまま美術館として公開したものです。戦後の一時期、外務大臣・首相公邸、国の迎賓館などとして使われてきましたが、建設から半世紀後の1983年(昭和58年)10月 1日、美術館として新しく生まれかわりました。今回は外観からこの旧朝香宮邸を観てみることにしましょう。

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外観は一見するとアール・デコ様式というよりも、より近代的なインターナショナル・スタイルの特徴を持っています。 インターナショナル・スタイルは、アール・デコの装飾性を非難したル・コルビュジェやミース・ファン・デル・ローエの建築に代表される合理性と機能性を重視するモダニズム建築様式です。
室内はアールデコ様式にもかかわらず、なぜ外観にこのように異なる様式を採用したのでしょう。 宮邸の建築計画は1929(昭和4)年に始まり1933(昭和8)年に完成しました。 世界恐慌や昭和恐慌、満州事変勃発など、社会不安が広がりつつある時代を背景としています。 時勢に配慮したという面もあったのでしょうか。 竣工記念の晩餐会などは開かれましたが*1当時の新聞や雑誌には宮邸竣工の記事は見当たりません。
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庭園内には、幾つかの彫刻がおかれています。左:イスラエルのボアズ・バーディあによる「ピルタイとパシュフル」 右:ロシアうまれのオシップ・ザッキンによる「住まい」です。
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ファサード(建物正面)に華やかな装飾を施す典型的なアール・デコの外観は全く排除したのでしょうか。 しかし、よく細部を見てみると、南面の妃殿下居間のバルコニーの外側には幾何学模様のレリーフが施されています。 建物にエレガントさを加えている窓台のテラコッタ(粗陶器)と同じサーモンピンクです。
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園内には、小さいながら日本庭園・茶室等が整備されていて、都心とは思えない静かで落ち着いた空間が広がります。
現在の旧朝香宮邸である庭園美術館は、自然教育園に隣接しています。元々大変広大な白金御料地の一部が、朝香宮廷用に下賜されたものなのです。
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所在地:

東京都港区白金台5-21-9   JR・東急目黒駅東口より徒歩7分
TEL: 03-3443-0201
開館時間: 午前10時~午後6時(入館は午後5時30分まで)
休館日: 毎月第2・第4水曜日(祝祭日の場合は開館し、翌日休館)年末年始


<記事中のコメント:東京都庭園美術館公式HP及びHP「朝香」宮邸http://www.fsinet.or.jp/~yamaneko/Ebisu_rekisi/asaka_miya/asakate_01.htmによる。>

by konmasa1024 | 2007-10-06 11:22 | 歴史的建造史跡


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