2016年 02月 11日
東海館は伊東温泉を流れる松川河畔にある大正末期から昭和初期の温泉情緒をいまに残す木造三階建て温泉旅館群の一つです。昭和3年(1928)に創業、昭和13年頃(1938)、昭和24年頃(1949)に望楼の増築など、幾度かの増改築を行いながら旅館業を営んでいましたが、平成9年(1997)、70年近く続いた旅館の長い歴史に幕を下ろしました。その後、伊東温泉情緒を残す街並みとしての保存要望もあり、所有者から建物が伊東市に寄贈され、平成13年(2001)7月26日、伊東温泉観光・文化施設『東海館』となりました。 東海館の入り口は、松川に面した客室とは反対側にあります。がっちりとした風格ある唐破風の玄関には旭日と鶴の彫物が飾られています。 廊下の左側に連続して客室が作られており、すべて松川に面している。 客室はすべて松川に面しており、風呂上がりの火照った体を川風に 当たって涼んでいる姿が目に浮かぶ。 二階客室「牡丹の間」の書院の欄間や障子には、幾何学模様や綱干し状のデザインが施されている。和風建築の技術が最高レベルに達した時期の、職人の腕を振るった技術の結晶の一端を見ることができる場所です。 3階の百二十畳の大広間。格子状の天井から下がっている照明は一見の価値があります。そして舞台脇を飾る対の孔雀の彫刻も見事。かつて賑わいを見せていた頃には、お膳がずらりと並べられ、大宴会が催されたことでしょう。 東海館のお風呂 老舗旅館のお風呂らしく、浴室は総タイル張りで、浴槽のお湯の湧きでる口は彫刻がほどこされています。大きい浴槽のは「獅子」 4階に当たる望楼から見る眺め 竣工当時は周辺に高いビルもなく、晴れた日には駿河湾を一望できる 絶好の眺めだったと思われます。 大川橋から東海館を望む 伊東市内を流れる松川にかかる大川橋から見るこの東海館は、一瞬にして遠い昔の温泉宿、温泉地を連想させてくれる。玄関から中に入ると薄暗がりの廊下から松川から入り込む光を取り入れた明るい部屋へ、その明暗が非日常を感じさせてくれる。そこかしこに施された木の細工は大工の腕の見せ所とばかりに凝っています。和風旅館のたたずまいが今に残る、貴重な建物と思います。 伊東 東海館 所在地 : 静岡県伊東市東松原12−10 電 話 : 0557−36−2004 交 通 : JR伊東線、伊東駅から約1km (徒歩10分程度) 営業時間: 館内見学は9時から21時 休館日: 毎月第三火曜日(祝祭日の場合は翌日休館) 料 金: 大人(1人1回につき)200円(個人) 150円(団体) 子供(1人1回につき)100円(個人) 50円(団体) 入 浴: 土日・祝日のみ入浴可 @500円 <記中コメントは東海館公式HPおよび現地配布チラシによる。HP「伊東のんびり散歩」さんよりお風呂内部写真1点をお借りしております。>
by konmasa1024
| 2016-02-11 06:41
| 歴史的建造史跡
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