2015年 04月 05日
大阪市中央公会堂<歴史的建造史跡>
ここ大阪市の中心地中之島に位置する「大阪市中央公会堂」は、岩本栄之助の寄付により1918(大正7年)年に竣工しました。岩本氏の素顔については後にして、寄付申し出を受けて、(財)公会堂建設事務所では、当時の建築界の叡智を集めるため、日本建築界の第一人者で公会堂の建築顧問であった辰野金吾が全国の代表的な建築家を指名して懸賞金付き設計コンペを行いました。
そして、当時の日本の建築風潮をうかがい知るに足るデザイン案が出揃いました。その結果、最年少だった岡田信一郎が1席に選ばれ、その設計案が採用されたようです。
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中之島は堂島川と土佐堀川に挟まれた3キロに及ぶ中洲にあたり、江戸時代は各藩の蔵屋敷が立ち並び、江戸大正期に入り、蔵屋敷が払い下げられた跡地にはこの中央公会堂の他、大阪市役所や図書館、大阪大学など町の情報発信の中心となって発展しました。今も官公庁を始めビジネス街として整備され、公園化もされています。
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中央公会堂の寄贈者 岩本栄之助は明治時代後半から大正時代にかけて、大阪の株式界で活躍した人物です。1906(明治39)年、父・栄蔵の営む株式仲介業を継ぎ、1907年の株式高騰などで大きな利益を上げたそうです。1909年渋沢栄一を団長とする渡米実業団に参加し、欧米の成功者となった大富豪が公共事業や慈善事業に熱心であることに感銘をうけ、帰国後株式相場で得た利益の寄付に動き始めたと言う。
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建物は鉄骨煉瓦造地上3階・地下1階建て。意匠はネオ・ルネッサンス様式を基調としつつ、バロック的な壮大さを持ち、細部にはセセッションを取り入れており、アーチ状の屋根と、松岡壽によって天地開闢が描かれた特別室の天井画・壁画が特徴となっている。

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           玄関ホール
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内部の壁面には一部石材が使用され重厚さを演出しています。
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公会堂では ロシア歌劇団の公演、アルベルト・アインシュタインを始め、ヘレン・ケラーやガガーリンなどの歴史的人物の講演も行われた。

大集会室(1600人収容)の一部
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大阪市中央公会堂は、日本有数の公会堂建築であり、外観、内装ともに意匠の完成度が高く、日本の近代建築史上重要なものとして2002年(平成14年)12月26日、国の重要文化財に指定されている。
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あいにくこの日は、内部の一般公開がなされていない日であったため、舞台を飾る舞楽面を表した装飾や、中集会室の十二支を図案化した装飾グリルなどの和風意匠、当時貴賓室として使用された特別室などを見ることはできませんでした。
しかし、一民間人の岩本栄之助氏が自ら儲けたお金を投じて、社会のために貢献したいと考えた意思は外見を見るだけでもその心意気が伝わって来るようでした。









大阪市中央公会堂

住 所  :大阪市北区中之島1丁目1番27号
TEL   : 06-6208-2002
URL http://osaka-chuokokaido.jp
開館時間 :9:30~21:30(予約受付時間は9:30~21:30まで)
休館日  :毎月第4火曜日(祝日の場合は直後の平日)および、12月28日から翌年1月4日








<記中コメントは公式HP及び見学当日配布されたパンフレットによる>

by konmasa1024 | 2015-04-05 21:30 | 歴史的建造史跡


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