2014年 09月 05日
熱海 根津別邸(起雲閣)<歴史的建造史跡>
熱海に伝わる3大別荘(三菱財閥の岩崎別荘、住友財閥別荘、そしてこの館)の一つ「根津別邸」は明治時代からの別荘地として開発され、政財界の大物が別荘を構えた熱海の中心部にあります。

通りに面した門は1919(大正8年)年に建造されたという薬医門
e0101172_11132657.jpg


この別荘は1919年、神戸で船会社を開業し海運王と呼ばれた内田晋也氏が母親の療養のために建てた湘雲荘と言う別荘が基です。その後1925年(大正14年)東武鉄道の基礎を築いた根津嘉一郎が別荘として購入、洋館部分を増築、1944年(昭和19年)まで19年間別荘として使ったと言う。
根津嘉一郎は東武鉄道の他、日清製粉、東京電力など200を超える企業の創業や経営に携わった実業家ですが、その素顔は豪放磊落で、全く偉ぶるところがない人柄だったという。その一方で、優れた茶人でもあった嘉一郎は美術品の収集家としても知られ、七点の国宝を含むコレクションは根津氏の本邸があった跡地に建てた青山表参道の「根津美術館」に保存されている。


現在は庭園の周りを回廊できるように建物が庭園を囲むように建っています。
e0101172_1126668.jpg



元々内田の建てた別荘「湘雲荘」は伝統的な和風建築のたたずまいですが、随所に斬新で先駆的な技術も見られます。ひときわ目を引く群青色の壁は、「加賀の青漆喰」と呼ばれるもので、1944年(昭和22年)根津別邸を買い取った桜井平五郎が旅館「起雲閣」として改築する際に自身の出身地金沢の伝統を取り入れたもの。

e0101172_1344471.jpg
e0101172_135514.jpg



洋館「玉姫」(たまひめ)と洋館「玉渓」(ぎょくけい)
内田の建てた純和風建築に繋がるように建てた根津別邸時代の洋館。洋館でありながら外観は和風に仕上げられ庭園風景にマッチさせた雰囲気ある建物となっています。

e0101172_1311784.jpg
e0101172_13112013.jpg





        サンルーム
      「玉姫の間」に併設されたサンルームは、大きな窓とステンドグラスの天上、
      色鮮やかなタイルの床が特徴で、「アールデコ」のデザインを基調にしています。
      和室を抜けてすぐつづくこのサンルームはひときわ明るく、見事なコントラスト。

e0101172_13141082.jpg


1932年(昭和7年)に建設された洋館のダイニングルーム「玉姫」は、折り上げ格天井を用いて東洋の雰囲気を醸し出している。
e0101172_17251090.jpg



洋館「玉渓」 暖炉の覆いにはサンスクリット語の飾り、入口の天井には茶室のように竹が用いられるなど、独特の空間となっています。暖炉脇の太い円柱は、古い寺か神社の柱とも、江戸時代の帆船の帆柱ともいわれており、この柱と暖炉は、日本建築の「床の間」と「床柱」にも見立てることができます。
e0101172_1726924.jpg


               1929年(昭和4年)完成の洋館「金剛」
               に併設されたローマ風浴室。床は木製タイル張り
e0101172_17263093.jpg


金剛では、暖炉上方のスペード、ハート、ダイヤ、クラブを象った模様をはじめ、草花の模様などが、洋館では大変珍しい螺鈿細工(らでんざいく)によって施されています。
 このほかにも、柱などの随所に面取りや名栗仕上げといった加工が施されています。
e0101172_17265774.jpg



e0101172_1727133.jpg


庭園側から見た洋館部分。とても内部が洋室のようには見えません。
e0101172_17272796.jpg




この建物は内田氏、根津氏、桜井氏の三代に渡り受け継がれ、それぞれの時代に増築され改装されて来ました。全体を通して和風の趣を持ちながら、所有者の個性と感性でそれぞれ特徴ある建造物として維持されております。
現在熱海市の管理するところとなっており、歴史的価値を認めつつ訪れる市民、見学者に理解を深めてもらおうという前向きな姿勢を解説員の熱心な解説に見ました。






熱海 根津別邸(起雲閣)
住  所:〒413-0022 熱海市昭和町4-2
電話番号:0557-86-3101
交 通 :JR熱海駅前の新バスターミナルより湯~遊バスにて「起雲閣前」下車すぐ
開 館 :水曜日を除く毎日(12月26日-30日休)午前9時ー午後5時






<記中コメントは熱海市公式HP及びAGORA1-2月号、現地配布パンフレットより抜粋>

by konmasa1024 | 2014-09-05 11:00 | 歴史的建造史跡


<< 名古屋、揚輝荘と聴松閣<歴史的...      久喜提灯祭り・天王様<文化・風物詩> >>