2014年 04月 22日
旧谷口房蔵別邸(田尻歴史館)<歴史的建造史跡>
館の建築者である谷口房蔵(ふさぞう)氏は明治から大正時代を通じて関西繊維業界の中枢を担い、「綿の国から生まれた綿の王」とまで称された大阪合同紡績㈱元社長です。


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房蔵氏は田尻町にも吉見紡績を設立、インドより原綿を仕入れる為、港(現田尻漁港)を浚渫し道路を整備。教育の重要性を痛感し幼稚園・小学校などの教育の為の費用などを負担。町財産を支援し鉄道の重要性にいち早く気付いて阪和線(旧阪和電気鉄道)の導入に尽くし、大阪倶楽部、綿業会館の設立にも尽力、日本棋院の創設など様々な分野において貢献したそうです。

館は南海線吉見ノ里駅の北方約400mのところに位置し、敷地内には洋館、和館、土蔵、茶室が配置されています。現在のところ設計者は定かではありませんが、棟札が発見されており、建てられたのは大正11年であることが棟札からわかっています。

屋敷への門を入ると玄関に向けてのアプローチが波をイメージさせる。
その向こうに見えるのがヨーロッパスタイルの洋館
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アプローチの途中にある薬医門を抜けると洋の世界が広がる。
煉瓦造りの外観にクリーム色のタイルを貼った2階建てで、屋根は銅板葺きです。
玄関ポーチは、アーチをデザインしたモダンな意匠でまとめられています。
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館の玄関扉を開けると木目調の玄関ホール
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前庭に向かってチーク材をふんだんに使った暖かいホールが広がる。
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1階の客室と食堂を囲い込むように回廊のようなベランダ
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          エントランスホールから2階階段から見えるステンドグラス
          大阪中之島中央公会堂のステンドグラスを手がけたと言う木内真太郎作
          ~綿の一生~
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窓には草花をモチーフとした調和のとれたステンドグラスがはめ込まれ、館内を柔らかで美しい光で満たしています。
至る所に使われているステンドグラスが必見です。
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2階廊下、和室方向を見る
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洋館2階にある和室 :下窓を開けると座敷に座っていても前庭の木々が見える。
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谷口房蔵氏は死後、遺言で残された百萬円(今日の貨幣価値でおよそ50億円)が谷口財団として70年間、ご子息の豊三郎氏に受け継がれ、すばらしい研究をされた湯川秀樹氏他ノーベル賞、文化勲章受賞者等々を中心に何の見返りも考えられず、焼け野原の日本に脈々と助成金を出し続け日本を支えられたそうです。

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房蔵氏の紡績事業に果たした功績のみならず、教育や行政に注いだ房雄氏の熱意とその精神を後世に伝えていきたいという意思は館を説明するパンフレットや紹介ビデオに語り尽くされており、ご案内いただいた説明員の言動や振る舞いにも表れていました。
また、保存状態も良く、「ぜひ見ていただきたい。」と言う積極的な姿勢に感心させられました。







旧谷口房蔵別邸(現田尻歴史館)

所在地 :大阪府泉南郡田尻町吉見1101-1
電 話 :072-465-0045
休 館 :毎週水曜 
開館時間:9:00~18:00
交 通 :南海電車本線吉見ノ里駅から西へ徒歩7分











<記中コメントは田尻歴史館公式HP及び見学当日いただいたパンフレットより>

by konmasa1024 | 2014-04-22 22:25 | 歴史的建造史跡


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