2012年 10月 13日
旧石川組製糸西洋館<歴史的建造史跡>
旧石川組製糸西洋館は西武池袋線入間市駅から歩いて7分のところ、国道16号線の側に建っている。
現在はダンプや商業車も行き交う大動脈の国道に面しているため、この建物が際立って違和感も感じるところですが、当時は森の中に建つ瀟洒な佇まいがあったに違いない。
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西洋館は、石川組製糸の創始者石川幾太郎(いしかわいくたろう)により、大正10年(1921)に迎賓館として上棟された和風工法による西洋風建造物である。建物外観は、化粧煉瓦張(けしょうれんがばり)で、屋根窓を設けた変化のある屋根に特色がある。内部は、宮大工の手による繊細な装飾が随所に見られ、特注の調度品が置かれている。当時の入間市の繊維業と石川組製糸の繁栄を知ることができる歴史的遺産である。


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石川組製糸は、石川幾太郎が明治26年(1893)に創始した製糸会社である。明治27年にはいち早く蒸気力を利用した機械製糸を行い、日清・日露戦争の戦時景気に乗って瞬く間に経営規模を拡大した。 最盛期には、現在の入間市に3工場の他県内外に9箇所の工場を持ち、昭和6年(1931)には生糸の出荷高で全国6位を記録するなど全国有数の製糸会社に成長した。なお、海外との取引が多かったことから、ニューヨーク五番街にも事務所を設置していると言う。
 しかし、関東大震災や昭和恐慌、それに生糸に代わる化学繊維(レーヨンなど)の出現などの影響により経営不振に陥り、昭和12年(1937)に倒産した。



(前庭があったと思われる位置から西洋館の正面を見る)
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(西洋館の隣に建つ高い煙突を持った別館)
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西洋館は、幾太郎が取引先のアメリカの貿易商を招くに当り、「豊岡をみくびられてはたまらない。超一流の館を造って迎えよう!」と決意し建設した迎賓館である。

(暖炉のある玄関ホールと2階への階段)
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(応接室)
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天井や床周りの寄木、部屋ごとに違った照明器具に特徴が見られます。
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(二階への階段手すりに凝らされた意匠が・・・)
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(2階ホール)
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(2階大広間)
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(2階大広間のステンドグラス)
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(2階和室)
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正面玄関入口、多分車寄せになっていたと思われます。
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この建物が落成した頃は石川組も相当の勢いのある会社だったんでしょう。外国のお客様を一企業でもてなすための施設ですから立派なものです。一方で石川一族がキリスト教の信者であったことから、事業家としてだけではなく、従業員教育や日曜学級の開設など地域の文化の振興にも貢献したようです。この当たりは、今の大実業家には残されていない部分ですかね。
日頃公開されていないためか、今回の公開日当日は大変な見学者の数でした。人でごった返ししているので落ち着けなかったのは残念でした。




旧石川組製糸西洋館


所在地:埼玉県入間市河原町13番13号
管理者:入間市教育委員会 博物館担当 TEL:04-2934-7711









<記中コメントは見学当日の配布資料及び公式HPによる>




       

by konmasa1024 | 2012-10-13 10:09 | 歴史的建造史跡


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