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2012年 06月 15日
日本工業倶楽部会館<歴史的建造史跡>
日本工業倶楽部は、大正6年(1917)に当時の実業家329名が集い、相互の懇親と発展のために設立された。そして、大正9年(1920)11月に会員の交流施設として、日本工業倶楽部会館が竣工した。第一次世界大戦による工業の発展、昭和初期の大恐慌、戦争、敗戦、復興、経済成長を通じて常に経済界の大きなドラマの舞台であって、財界の記念碑的な存在でした。

敷地は丸の内の東京駅駅前広場に面した角地が選ばれた。建物は鉄筋コンクリート造5階建で、一部に鉄骨が用いられた。設計者は横川工務所の横河民輔、担当は三信ビルディングなどの設計で知られる松井貴太郎、内装を橘教順、鷲巣昌が行い、施工は施主直営であった。

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日本における数少ない本格的なセセッション様式の建物で、全体に、
「雅にして堅」を旨としていて、国賓を迎えることを考慮して、入り口には
ドリック・オーダーが配され、正面階段も広くとられました。
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実業家の親睦を目的とした社交クラブの建物で、正面屋上には小倉右一郎作の
二つの人像が置かれ、男性はハンマー、女性は糸巻きを手にし、
当時の二大工業石炭と紡績を示していました。

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入り口に掲げられた看板
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 建物は正面側を倶楽部施設とし後ろ側に貸事務所を併設していた。外観は「近世復興式」と呼ばれ、正面玄関に古典様式を用いているほか、大正期の時代性が強く反映されている。
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2階 大会堂
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セ・セッション様式の特徴をよく表したドアの意匠
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2階 貴賓室
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内装は倶楽部建築らしく華やかであり、各階の中心にある広間とそれらを立体的な一つの空間として繋げる大階段、談話室や貴賓室、そしてなによりも大会堂、大食堂といった大空間に見事な装飾と空間性を見ることができる。

貴賓室のシャンデリア(当時のまま使用)
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貴賓室内サイドボードに施された金箔細工
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役員会議室の壁に施された壁紙文様(貝殻より抽出された光る物質を利用しているとか・・・)
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3階 大ホール、蛇絞石アイオニック円柱に囲まれた格式ある空間
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初代会長は三菱合資会社頭取の豊川良平で、初代理事長は三井合名会社理事長の団琢磨。重要経済問題、労働問題などに関して調査活動および政府への建議を行い、経済団体としての機能を果たしてきた。第二次世界大戦後は戦後経済の復興発展の礎のような役割を担い、経団連、日経連をはじめとした経済団体の設立と育成に協力してきた。現在は、財界人の交流の場として、講演会、音楽会などとして活用する他、大正時代のクラシックな雰囲気を楽しみながら結婚式の会場としても会員の紹介を持って執り行うことが出来る。

創建当時の外観
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日本工業倶楽部のある東京丸の内は、明治27年、最初に煉瓦造の三菱一号館が建設されて以来、100年以上の歴史を持つ日本を代表するビジネスセンターとして発展してきた。その発展過程の中では、関東大震災や太平洋戦争、高度成長期などの体験もさることながら、ビジネススタイルの変化などによって常に機能更新が図られ、現在の町の姿となっている。歴史的建築物としては、明治期のものは存在しておらず、大正期、昭和初期のものが残っている。長期にわたって繁栄し続けている町であるが故、様々な時代の建物が共存している。それが丸の内の町並みの特徴でもあるが、この倶楽部会館は業界の社交場と言う限られた人達の格調高い重厚さにおいては一流だと思います。




日本工業倶楽部会館

住 所 :東京都千代田区丸の内1-4-6
問い合わせ先:03-3281-1711
交 通 :東京駅丸の内北口より徒歩3分 新丸ビルの通り挟んだ向かい







<記中コメントは日本工業倶楽部公式HP、会館発行のパンフレットおよび「いらかぐみ」HPより>

by konmasa1024 | 2012-06-15 06:31 | 歴史的建造史跡


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