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2010年 09月 10日
旧田中銀行社屋<歴史的建造史蹟)
この建物は甲州ぶどうで有名な勝沼の旧甲州街道沿いにあります。明治30年ごろ勝沼郵便電信局舎として局長田中英作が大工松木輝殷に依頼し建設したと伝えられているそうです。明治35年まで郵便局舎として使われましたが、後に田中薫作と田中慶重らが中心となって設立した株式会社山梨田中銀行の社屋として改修されました。今の名前の由来はこのことによるものです。(国の登録有形文化財)

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局長の田中が建設に当たり大工棟梁に選んだ松木輝殷は県令藤村紫朗が推奨した洋風建築の一つとして明治9年に洋風建築祝学校を完成させた。その後も多くの学校建築、官公庁建築を進めて行ったようです。
写真は入口を入った1階部分より旧甲州街道を振り返ったアングルです。
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銀行として使用された後、一般住宅として改修が行われ、第二次世界大戦中は、田中本家に北白川宮が疎開された時には、この旧田中銀行は関係者の水戸部氏の住宅として使われました。郵便局→銀行→一般住宅と用途が変わっていますので、それぞれの時代に使用されたものが見て取れます。

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郵便局時代に使用されていた局長の椅子と机、なんとなく仕事ぶりが伝わってくるようです。
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写真左は当時のトイレ便器、 右 手回し式の蓄音機で、実際にまわして、懐かしい音を再現していただけます。
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田中銀行時代に、重要書類の保管施設として作られたレンガ造りの土蔵
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手すり付き螺旋階段
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洋風扉で仕切られていますが二階部分には和室があり、北白川宮疎開当時の遺品がそのまま残されています。
写真は左がペイント木目のドア、右シンプルな装飾を施したライト
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旧田中銀行はの社屋とレンガ土蔵は、明治後期から大正時代の洋風建築を伝える建築物として、平成9年に国の有形文化財に指定され、平成10年に田中逸作氏より勝沼町に寄付されました。
東京から遠く離れた地方にも近代化の波はすばやく届いていたのです。
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地図を頼りに探しましたが、なかなか見つかりませんでした。しかし、旧20号線に入ってから、なんとなく古い町並みを感じました。左右の道路のあちこちの家に蔵が残されています。この旧田中銀行社屋の敷地の中にも繭蔵や米蔵2棟もありますが、国の予算の関係で文化財としての指定が受けられないで居るとか、なかなか文化財保護の道は険しいようです。
ただ、この文化施設ですばらしいのは、ボランティアの説明がとても親切丁寧で、この良さを知ってもらいたいと思う心がとても感じられたことです。 冷たいお茶などのもてなしを受け、ありがたい気持ちで帰りました。





旧田中銀行社屋(旧勝沼郵便電信局舎)

所在地: 山梨県甲州市勝沼町勝沼3130-1
開館日: 4~10月は木~日、 11月~3月は土、日のみ
見学 : 無料
お問い合わせ: 0553-44-3755




<記中のコメントは当日配布のパンフレット及び告知看板HP「身延町地域資料」より>

by konmasa1024 | 2010-09-10 10:49 | 歴史的建造史跡


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